「moron」の意味と使い方 (ネイティブのスラング辞典と英語発音辞典)

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

「moron」という侮辱的な表現をよくアメリカの映画やテレビドラマで耳にします。基本的に「moron」は「頭がよくない」という意味で使いますが、多くの場合、馬鹿馬鹿しい行動をやっている人に対して使われます。女子中学生や女子高生はよく男子生徒を子供っぽいと思っていて、男子生徒に対して「you are such a moron」としょっちゅう言います。「moron」は女性に対しても使えますが、やはり「moron」は男性の馬鹿馬鹿しい行動を侮辱するのに、ぴったりです。ちなみに、「moron」と言う時には、たいてい「such a」を付けます。

(皆さんが英語の発音練習が出来るように、例文を読み上げて、録音しました。録音したファイルは以下にあります。)

1. What are you doing? You are such a moron.
ねえ、何してんの? あんたは本当に馬鹿ね。

2. My brother is a complete moron. Yesterday, he tried to drink milk with his nose.
私の弟は本当に馬鹿だよ。昨日、鼻で牛乳を飲もうとしたの。

「馬鹿馬鹿しい」を意味する「moronic」という形容詞もあります。「moron」は若者がよく使うスラングなのに対して、「moronic」は通常の言葉で、文学にも出てきます。

3. His moronic behavior stained the reputation of our firm.
彼の馬鹿馬鹿しい行動はわれわれの会社の評判を悪くした。

従来、「moron」は医療用語で、8歳から12歳までの精神年齢を持っている大人という定義でした。いうまでもなく、現在は医師は「moron」を使いません。「moron」以外は医療用語がスラングになったケースを思い出せません。「moron」は面白い言葉でしょう。

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。