了解しましたは英語で何というでしょうか ー 職場とそれ以外での使い分け

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

了解の画像
「了解」という日本語は日常でよく耳にする便利なフレーズですね。僕も様々な場面で使っていますが、会社で目上の人や取引先などに「了解しました」と言うのが失礼に当たるというのは最近まで知りませんでした。英語圏では目上や目下という考え方はありませんが、「了解」を英語で言うなら気を付けないといけないことがあります。まず、和英辞書で「了解」を調べると、よく understood、noted、will do というフレーズが出てきます。

確かに、これらのフレーズは「了解」という日本語を表現出来ていますが、実際は軍隊が命令を受けた時によく使うフレーズです。ですので、一般の職場などで使うと相手に少し失礼な印象や変な印象を与えてしまうでしょう。

次に、 roger と copy that もというのも辞書に載っていますが、これらは空軍が無線などで言いそうなフレーズです。

Please land on aircraft carrier number 3.
Roger.
3番目の空母に着陸せよ。
了解。

Private Peterson!
Sir!
Mop the floor!
Understood!
一等兵のピーターソン!
はい!
モップがけをしなさい!
了解です!

それでは、日常生活で「了解」と言いたいなら、どのような英語を使えば良いのでしょうか。実はこのような場合は、皆さんも耳にしたことのある、 okay、all right、no problem などをよく使います。

Let’s meet in Shibuya at 6.
All right.
六時に渋谷ね。
了解。

Do you mind picking up some milk on the way home?
Sure.
帰りに牛乳買ってきてくれる?
了解。

We’re having spaghetti for dinner.
Okay.
夕飯はスパゲティーだよ。
了解。

上記の3つの例文は、見て分かるようにかしこまった場面ではありませんね。職場などで丁寧な英語を使いたい場合は、「問題ない」を意味する no problem というフレーズが良いでしょう。

Please send me a copy of the report.
Sure. That won’t be a problem.
報告書のコピーを送って下さい。
はい、了解しました。

そして、Of course. と Of course I can. と I would be happy to. も丁寧な表現です。

Can you take this dish to table 1?
Of course.
この料理1番テーブルに運んで。
了解です。

Can you put next week’s presentation materials on my desk?
Of course I can.
来週のプレゼンの資料を僕の机に置いておいてくれる?
了解しました。

Can you give this to the general affairs department?
I would be happy to.
これ総務部に届けてくれる?
了解です。

11 件のコメント

  • こんばんわ。
    いつも読ませていただいております。
    私が行っている英会話教室で丁度先々週この話題が上がりまして、こちらではOf course.を丁寧な表現と表記されてるようですが、Of course.は上から目線に日本語で言えば「いいよ」というニュアンスでCertainly.の方がかしこまった「了解」になると聞きました。
    その辺の違いについてどうかご教授願います。

  • いつも参考にしています、ありがとうございます。
    今回のテーマ「了解」についてですが、
    レストランなどでオーダーした時などに言われる「You got it」は、
    どんな時に使えますか?
    仕事を頼まれた時に
    目上の人に「You got it」と言ったら失礼でしょうか。
    是非教えて下さい。

  • とても良いブログですね。参考にさせていただいております。
    本文にも書かれていますが、”了解”は目上の人には失礼に当たりますので、そのような場合は”承知いたしました/かしこまりました”で表現したほうがわかり安いかと思いました。

  • 北米東海岸在住です。
    よく、Got it.という表現を聞きますが、これも了解した、という意味合いでしょうか?ビジネスシーンでは使わない方が良いですか?

  • 私の上司は「承知しました」では自分が威張っているように周りから見られるから、「了解しました」と言ってくれない?と無理やり変更させられました。。。

  • >にしさん
     そうですか~。でもやはり言葉の意味としては「承知しました」は目上の人に対して使う言葉だから、そのようになったということですね。
     私はどちらを使えと会社で言われることはないのですが、「了解」は下の者に対して使用すること場ということをどこかで見た記憶があります。
     
     そういえば取引先の営業さんで、「了解」のことをあえて「諒解」と書く人がおられました。

  • 英語のブログなのに日本語の、しかもコメント欄の方に指摘するのもナンセンスかもしれませんが少々。
    承知しましたは承知するという動詞に〜ますという丁寧語がついただけなので目上の人に使うにはやや無礼な表現となります。
    厳密には承知致しましたですね。(承知する+致す)
    了解と承知の違いについては承る(謙譲語)の意味を持つ漢字が入っている分だけ承知の方が目上の人に使うに相応しいといわれることもありますが例外もあるためグレーゾーンとして扱われることが多いです。
    が、ビジネスシーンではあたかも「承知と了解の違いの豆知識」のように扱われ、了解致しましたと言ってもムッとされることもあるようですね。
    承知致しましたと言っていればどのみち間違いは無いのですが、本来の正しい言葉遣いでも嫌な顔をされてしまうなんて世知辛い世の中になりましたねぇ。
    因みに諒解と了解は辞書によって同じとされていたり異なる説明が書かれていたりとこちらもはっきりはしていないようですね。諒解の方がやや空気を読み、悟るという意味合いが強いイメージが私の中ではありますが。

  • >ジェイさん、助兵衛さん
    色々と教えてくださいまして、ありがとうございました。
    「承知致しました」、場合によって「諒解致しました」と使い分けることができたら、きっと大丈夫そうですね。
    知らないことがたくさんあり、お陰様で大変勉強になりました:)

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。