様々な英語で「懐かしい」を表現しよう

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

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「懐かしい」はとても便利な日本語だと思います。昔の思い出が蘇った時など、この単語1つでその感情を表現出来ます。英語では、「懐かしい」という感情を日本語ほど簡単に表すことは出来ません。「懐かしい」には、切なさや嬉しさや安心感など、その時々により様々な感情が入り交じっていますね。ですので、 懐かしさは言葉できちんと言い表せない、とても不思議な感情だと思っているネイティブが多いと思います。しかし、「懐かしい」は、ネイティブにより、その時々の感情によって、様々な英語で代用されているでしょう。

例えば、日本人は以下のようなことを言います。
「3年前もここでデートしたよね。懐かしいなぁ。」
これを直訳するのは難しいですが、ネイティブの女性は似たような意味で次のようなことを言うでしょう。

I went on a date here three years ago. It feels so strange to be back.
3年前もここでデートしたよね。ここに戻って来て本当に不思議な気分。

次に、日本人が久々に祖母の家を訪れた時、
「久しぶりに祖母の家に行ったら、懐かしい匂いがした。」
このように思ったとします。同じ状況なら、ネイティブは以下のように思うでしょう。

It’s been ages, but I went back to my grandma’s house, and there was this wonderfully familiar smell.
久しぶりに祖母の家に行ったら、なじみのある良い匂いがした。

そして、「最近、懐かしいゲームを収集するのにハマっている。」は、

Recently, I’ve been really into collecting games that I used to love playing.
最近、昔大好きだったゲームを収集するのにハマっている。

になり、
「家族が仲良かったころの写真を見たら、懐かしすぎて泣きそうになった。」は、

When I looked at a photo of my family when they were on good terms, I felt so heartbroken that I wanted to cry.
家族が仲良かったころの写真を見たら、とても胸がいたくて泣きそうになった。

のようになるでしょう。
日本語では懐かしいのような感情を、ノスタルジックやノスタルジーなどと言う人が結構いるので、nostalgicと訳す場合もありますが、nostalgicは文学的な単語なので、日常的にはそれほど使いません。
しかし、やはり多くの日本人は「懐かしいね」のように、1つのフレーズで言いたいのではないでしょうか。ネイティブはそれほどこれをしませんが、する場合は以下のような表現が良いでしょう。

That brings back lots of memories.
沢山の思い出が蘇るよ。

Those were the good old days.
Those were good times.
あの頃は良かったな。

Oh yeah. I remember that.
あぁ。それ覚えてる。

6 件のコメント

  • I really think 懐かしい is one of the best words in Japanese (I’m a Japanese girl)
    In my opinion, “That brings back lots of memories.” is a great translation because it doesn’t include details and that is so Japanese! I like it 🙂

  • I’ve been in the States for over 20 years and my friends here often use “nostalgia”. I don’t know why – maybe because they are a little more sophisticated than the average? Their educational levels are masters or phD – I barely meet anyone with just undergrad level. Ha!

  • […] 僕は日本に住んで何年も経ちますが、日本人が日常会話でよく使っているけれど、なんとなくしかニュアンスをつかめていない日本語がまだまだ沢山あります。日本人が日常会話で自然に使う日本語は、「懐かしい」や「甘える」のように、英語で言おうとすると意外と複雑なので、今日はその中から「なんとなく」という日本語をピックアップして英語にしてみたいと思います。 […]

  • […] 僕にとって日本語は、「切ない」や「懐かしい」のように、1つの言葉でいくつもの感情を表現出来る便利なものもあれば、似ている2つの言葉なのに意味が違い、使い分けるのが難しい言葉もあります。僕は最近まで、「甘やかす」と「甘えさせる」の違いが分かりませんでした。一体日本語はどこまで奥が深いのでしょう。 この「甘え」という類いの言葉も、英語にはほとんどないのでそのまま訳すことが出来ません。今日は、「甘え」に基づく色々な言葉を、その時々の状況や感情によって様々な英語で表現してみましょう。 ad = document.getElementById("adbar"); if (ad.getBoundingClientRect().width) { adWidth = ad.getBoundingClientRect().width; // for modern browsers } else { adWidth = ad.offsetWidth; // for old IE } google_ad_client = "ca-pub-1057995604864705"; /* 728×90, created 10/28/10 */ google_ad_slot = "1749547028"; google_ad_width = 336; google_ad_height = 280; if ( adWidth < 730 ) { document.write(""); } […]

  • 「懐かしい」は、もともと「なつかし」という形容詞で、「心が引かれる」、「親しみが持てる」といった意味でした。鎌倉時代ごろから「思い出に心が引かれる」という使い方が生まれ、現在の「懐かしい」という意味ができたそうです。「なつく(懐く)」とも関係があるようです(漢字が同じだからねぇ)。

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。