僕は、日本語を聞くときに、小さい「っ」があるかないかを判断するのが苦手です。それなので、以前「モテる」と「持ってる」を区別できず、同じ言葉だと思っていました。「モテる」は「異性に人気にある」という意味なので、「持ってる」とは当然無関係ですね。しかし面白いことに、英語では「持ち上げる」を意味する pick up は、「モテる」のような意味としても使います。この pick up は「ナンパする」という日本語に近いですが、can pick up は、「モテる」のようなニュアンスになります。
Wow. That guy is always picking up lots of girls.
おぉ。あいつはいつも大勢の女性をナンパするな。
次は、popular と popular with の違いを見てみましょう。
popular だけを使うと、「人気」という意味になります。これは異性からの人気というより、一般的な人気のような意味合いなので、作家や政治家などに対してもよく使います。
The most popular Japanese author in the UK is Murakami Haruki.
イギリスでもっとも人気のある日本人の作家は村上春樹です。
しかし、村上春樹が異性から人気ならば、popular with girls, women, guys などの英語を使います。
Murakami Haruki is very popular with girls in the UK.
イギリスで村上春樹はとてもモテます。
また、女性からはモテないけれど男性から人気があるならば、
My friend who is a rugby player is very popular with guys, but not so popular with girls.
ラグビー選手の友人は、同性からは人気があるが女性からはモテない。
このように言うこともできます。
英語には、モテるを表すスラングが沢山ありますが、僕が考えられるスラングは全て男性のみに対して使えるものです。
chick magnet
magnet は「磁石」で、chick は「女性」という意味なので、磁石のように女性を惹きつけるというニュアンスになります。
player・mac・stud・charmer
これらもモテる男性を表す英語です。この stud は種馬という意味になります。
Dude, you are a stud! So many girls hit on you.
君は本当にモテるね!大勢の女性は君に言い寄るもんね。
Don Juan・Casanova
これらは人の名前なのですが、He is a Casanova/Don Juan. というと、彼は女性から大人気というニュアンスになります。Don Juan は Mozart の有名なオペラで、主人公の Don Juan は1003人の女性と寝たことを自慢します。また、Casanova はイタリアの冒険家で、プレイボーイとしても有名でした。
ladies’ man・lady killer
これらは60年代によく使われていたように思います。lady killer は比喩的なフレーズで、女性を殺すほどの魅力があるというニュアンスになります。
My friends don’t call me a lady killer for nothing.
友人が僕をモテ男と呼ぶ理由は十分にある。
womanizer
今まで紹介した英語は、通常の場合褒め言葉として使われていますが、womanizer は「女ったらし」のようなネガティヴなニュアンスで使われています。
Martin is a real womanizer. I feel so bad for his wife.
マーティンは真の女ったらしなので、彼の奥さんをとても気の毒に思う。
playboy
これはみなさんも耳にしたことがあると思いますが、モテるだけではなく、お金を持っていて沢山の女性と遊ぶ人のイメージでもあります。
これだけ男性に使えるモテるのフレーズがあると、いかに男性が女性にモテたいか、モテた話がしたいかが分かりますね。
モテる女性を表す面白いスラングは思い浮かびませんが、以下のフレーズはよく耳にします。
All the guys in the class are in love with Samantha.
クラスの男子全員、サマンサのことが大好きだ。
こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!