田舎は英語でなんという – アメリカとイギリスの違い

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

最近、僕は都会の悪い空気から遠く離れた日本の田舎に素敵な家が持てたらいいなと思っています。その家で野菜とか果物の木を育てたりする空想にふけり、ついでに蜂の巣を育てて養蜂したりするのもいいなと思っています。

僕は日本の田舎が美しいと思っていますが、日本人の田舎という単語の使い方にはよく混乱してしまいます。田舎という単語は、田舎くさいまたは田舎ものという使い方をするときにはネガティブな意味を含んでいるようですが、ただ単に位置的な田舎を表すためにネガティブな意味のない普通の単語として使われることもあるようです。また、地方と田舎という単語の使い分けにも混乱します。日本では田舎での生活よりも都会での生活のほうがより洗練されたものだととらえられているということはよく感じました。
イギリスでは、その反対のことが多いです。多くのイギリスの名門学校は田舎にあるし、お金持ちになったら田舎に移り住む人が多いです。僕はイギリスの田舎の出身だから僕の意見には少し偏見があるかもしれません。

I would love to get a house in the countryside when I retire.
僕は退職したら、田舎に家がめちゃ欲しいと思っている。

countryside

田舎を表す時の最も一般的な単語はcountrysideです。これは英語で田舎の地域を表すときに使われるスタンダードな単語で、普段はポジティブな意味合いで使われます。僕がcountrysideのことを考えるときには、きれいな空気、緩やかに波打つ丘陵、草原や農場などが思い浮かびます。

rural

その他の田舎を表す一般的なフレーズはrural areaです。これはcountrysideと同じ意味がありますが、少しだけよりフォーマルな表現です。ruralは「田舎の」という意味の形容詞で、よくrural Japan、rural Englandみたいに国の名前と一緒に使われます。

Rural England has many beautiful villages.
イギリスの田舎には美しい村がたくさんある。

僕は多くのアメリカ人が田舎について日本人と似たような意見を持っていると思っています。もしアメリカ英語の単語の中で田舎について調べてみたら、ネガティブなニュアンスを持った単語がたくさん見つかると思います。

backcountry, backwoods and outback

アメリカでは、人々はよく人里離れた地域をbackcountryと呼びます。僕がbackcountryについて頭に浮かべるときには、森林や山でのキャンプが思い浮かびます。backwoodsという言い方もあり、これは人里離れた草木の生い茂る地域のことを表しています。イギリスには、スコットランドのHighlands以外に人里離れた場所がそんなに多くありません。オーストラリアでは人里離れた田舎はoutbackと呼ばれています。

In the summer, I like to go camping in the backcountry with my friends.
夏には、友達と一緒に田舎でキャンプをするのが好きだ。

in the sticks

stickは枝という意味ですが、この場合には枝がたくさんある場所について表しています。つまり、木々がとても多い場所です。in the sticksという表現は、田舎にいるということを意味します。

I grew up in the sticks, but now I work in Silicon Valley.
私は木々の生い茂る田舎で育ったけど、今はシリコンバレーで働いている。

boondocks

この単語はフィリピンのタガログ語から来ています。アメリカ人兵士によって取り入れられた単語です。boondocksは田舎の街という意味になります。boondocksをbooniesと縮めて言う人もいます。

Down here in the boondocks, there isn’t a Starbucks for miles.
この人里離れた田舎では、スターバックスは何マイルも行かないとない。

middle of nowhere

多くの英語のネイティブはthe middle of nowhereというフレーズを使います。文字通りこのフレーズは何もない場所を意味します。これは少々失礼な表現で、使うときには注意が必要です。人類の文明の形跡があまりみられない場所を表現するのに使われます。

We are in the middle of nowhere. I can’t even find a gas station!
僕たちは全く何にもない場所にいる。ガソリンスタンドもない!

2 件のコメント

  • あなたの英語と英語に関するご意見はたいへん参考になります。
    私はアメリカ英語で育ちましたが、育ったというか、戦後の日本にはそれしかない米語べったりの英語環境でした。
    最近、米国人の発音するR-soundやer-soundに嫌気がさしているため、できるだけイギリスのRP発音に近い音声で言おうと心がけています。
    そうかといって、世界中に米語がまき散らされているため、完全に米語を抹殺するわけにもいかない状況です。
    数年前からMid-Atlantic Englishに興味を持ち、いろいろ調べていますが、なかなかその本髄に接することができないでいます。
    日本人にはイギリス英語が似つかわしいと思いますが、そのMid-Atlantic Englishについて説明していただけないでしょうか。
    イギリスも狭い国土在りながら、歴史が多彩であるし、人種や言語も未だに混在して、日本のように標準英語というものが定まっていないようです。
    、ScolanndやWalesなどがなければEnglandを中心に「これがイギリス英語の標準です」と国内外に示すことが出たのでしょうがなかなか簡単ではなかったようですね。
    私の意見では、日本人にはイギリス風発音6、アメリカ風発音4くらいの英語が良いのではないかと思い、そのMid-Atlantic Englishをせんでんしているのですが、Lukeさんはそう思われますか。ご意見をお聞かせください。

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。