「nut」は、硬い殻をもつ木の実という意味だけではなく、スラングで「頭のおかしい人」や「夢中になる」という意味でも使います。この、単純そうで意外に複雑な言葉について説明したいと思います。
(皆さんが英語の発音練習が出来るように、以下の文章を読み上げて、録音しました。録音したファイルは以下にあります。)
1. That guy is such a nut.
あの人は変だよ。
2. Wow, what a nutcase!
うわっ、アイツはマジで頭がおかしいな!
上の文を見ると、「nut」は頭がおかしい人や変な人という意味で使われていますが、実は本当に気が狂っている人に対してはこの言葉を使いません。つまりこの場合の「nut」は、変な行動をしていて嫌な人に対しての、侮辱的な表現になります。
ちなみに、「nutcase」は「nut」とほぼ同じ意味ですが、「nutcase」の方がより強調する時に使います。
そしてたまに、危険なことが好きな若者たちの間で「nut」は褒め言葉としても使われています。
3. You skydived off a cliff? Wow, you are nuts!
お前崖からスカイダイビングしたんだって?すげぇな、お前の頭大丈夫かよ!
2番名の「nuts」は「nut」の形容詞です。名詞の前に「nuts」という意味を表す形容詞を使いたい時には「nuts」ではなく、「nutty」を使います。
4. the nutty professor
変わっている教授
「driving me nuts」というフレーズもあります。それは、「相手のせいで、私は気が狂いそうだよ」という意味です。この表現は面白くて、誰かがあなたの気に触るようなことをする時にはこのフレーズがぴったりです。これは失礼と言えば、失礼ですが、皆さんは家族や友達に対してはしょっちゅう使います。
5. You have been playing the same song for one hour. You’re driving me nuts.
あなたは同じ曲を一時間かけているよ。僕は気が狂いそうだよ。
「何々に夢中になる」を英語で表したい時には、「I am nuts about何々」と言います。「about」と言う前置詞を付けるのを忘れないで下さいね。これはとても役に立つ表現です。「crazy about」というスラングに似ています。
6 I am just nuts about heavy metal.
俺は、ヘビメタに夢中になっているよ。
7 I am nuts about Justin Bieber.
私はジャスティン・ビーバーが大好き。
6番目の例文を見ると「何々が大好き」という意味としても使うことが分かります。
イギリス英語には上の使い方に加えて、「to nut 誰々」という動詞があって、「誰々に頭突きを食らわす」という意味です。なぜかよく分かりませんが、たまにイギリス人の中には、酔うと頭突きしたくなる人がたまにいます。ちなみに、僕は今まで頭突きをしたくなったことはありませんよ。笑
8. If you don’t shut up, I’m gonna nut you, yeah!
黙らないと、お前に頭突きしてやる!
次の使い方は失礼ですので、気をつけて下さい!
金玉を英訳すと、「nuts」が一番適切です。もちろん、この使い方は「testicles」のように科学的な使い方ではありません。「balls」という英語とほぼ同じニュアンスです。動詞ならば、射精をするという意味になります。さきほどの説明で、お気に触ったらお許して下さい。
こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!