すみませんは英語で何という? ー excuse me 以外の表現を使ってみよう

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

皆さんは、満員電車で降りたい時や人ごみを通るときなど、周囲の人に何と声をかけますか?僕はとっさに「失敬!」と言ってしまうことがよくあります。新潟に住んでいた頃、居酒屋でよく会うおじいさんが「失敬失敬」と言っていて、この日本語格好良いなと思ったのがきっかけなのですが、僕が「失敬」と言うとだいたいの日本人には笑われます。

それでは、満員電車で降りたい時や人ごみを通るときなど、英語圏の人に「すみません」と言いたい時皆さんはどのような英語を使いますか?僕の経験上、日本では excuse me と言われることが一番多いので、日本人にとってこの英語が浸透している気がします。しかし、「すみません」が他の日本語でも表せるように、excuse me を表すフレーズは他にもあります。

まず、日本ではこのような場合に「ごめんなさい」と言うことがあるからか、sorry と言われることもよくあります。これは間違いではありませんが、少し違和感を感じます。英語圏では人にぶつかった時に sorry と言いますが、そうでない時に sorry とは言いません。

scuse me

実は、多くのネイティブが excuse me よりよく言うのが scuse me です。これは単純に、excuse me の ex を省いた方が言いやすいからでしょう。実際僕も scuse me と言っています。

coming through

coming through は「通ります」という日本語に似ていて、人ごみを通りたい時などによく使います。たとえば、人が密集している場所でウエイターは以下のようなことを言います。

Excuse me, coming through.
すみません、通ります。

mind out

mind out は「気をつけて」という意味で、人とぶつからないために言います。

make way

make way は命令口調で丁寧なフレーズではないので普段はそれほど耳にしませんが、警察官や警備員などが「道をあけろ」と言う時にこのフレーズを使います。

gangway

何か緊急事態などで人が密集している場所を走りたい時には gangway! と叫ぶことも出来ます。これは make way と同じ意味ですが「どけーー!!」のようなニュアンスなので、周囲の人は驚くと思います。gangway は古風なフレーズで、たとえば海賊が大勢乗っている船で危険物を運んでいる時に使いそうです。ニューヨーク市の地下鉄が込んでいて降りられない時にこのフレーズを使うと、周囲の人は驚いてよけてくれるでしょう。
いかがでしたか?皆さん、使ってみたい英語はあったでしょうか。僕は、「失敬」と「すみません」くらいしか言わないので、何か他にもあったら教えて下さいね。

22 件のコメント

  • 日本で外国の方が、「失敬」と言っているのを耳にすると、侍に憧れてるのかな?ふふふ。という風に受け取る事が多いと思います。
    逆に外国で日本人が、すみませんという意味で英語を使った場合に、同じように微笑ましく受け取られる言い方というものはあるのでしょうか?

  • scuse meは初めて知りました。今度機会があれば使ってみようと思います‼︎
    ところで質問なのですが、以前イギリスにいた時にホストマザーがよく”Mind you ~~~” と言っていたのですが、これはイギリスではよく使われる表現なのでしょうか?ニュアンスがいまいち掴めません。「あ、言っておくけど」
    みたいな感じでしょうか?いつか取り上げていただけたら嬉しいです。
    いつも本当に助かっています。

  • “ scuse me ”参考になりました!やはり色んな場面で使える「すみません」があるんですね。
    私が耳にする「失敬」は男性や男性年長者の方に多いような気がします。
    そして、私は使い分けるようにしてますが「すみません」より「すいません」と使うことが多いと思いませんか?

  • ルーク先生、いつもためになる記事をありがとうございます。
    「すみません」の他に、もっと丁寧に対応しなければならない時には「申し訳ありません/ございません」などを使うこともあります。主に目上の方に使いますが人は年齢を重ねるほどに人に頭を下げる–謙虚になることが美しいと習いましたので、私は「申し訳ございません」を使うことが多くなりました。「稔るほどに頭を垂れる稲穂のように」とお米をいただく日本人の考え方を教わりました。

  • ああ、懐かしい言葉を思い出させていただきました!
    父がよく「失敬」を使っていました。「失礼します。」の意味で、ソフト帽をちょっと持ち上げながら言うこの言葉は、娘ながらかっこいいなぁと思ってました。^^
    それとはまた違う場面で「君は失敬な人だね。」と一寸注意する時に言ってましたね。
    ところで私は”Excuse me”と同じくらい “Sorry”を使っていましたけれど、これからは注意して使おうと思いました。
    “Scuse me”も今度試してみます!
    日本語では、私は「失礼します。」とか「ごめんなさい。」と言いながら人込みを通り抜けます。

  • I guess, 失敬 is a advanced word for foreigners and most Japanese don’t say it.
    We think 失敬 is said by high-position people like boss.
    but…I’ve said olny すみません as Excuse me.

  • ところで僕は「失敬」という言葉を使ったことがありません。何か古めかしく、また横柄にも聞こえるからです。
    人にぶつかった時には「すいません」
    道を開けてほしい時は「すいません、通してください」と言います。

  • 上の方と同じく失敬を大人の若い人が使うと失礼に響き苦笑いされてしまうかも知れません。
    子供や日本語に不慣れな外国人が使っていると、時代劇でも観て覚えてたのかな?と微笑ましく思われることもありますけどね。
    私もルークさんも失敬!と何十年と日本で年齢を重ねていくうちに失敬!とさりげなくいうのがさまになるときがくると思います。そのときはぜひ使ってみる事をおすすめします^^
    それと普段はなかなか耳にしない英語での言い方も教えてもらいありがとうござます。

  • 私は、通りたい道に人がいたときは、「失礼します」と声をかけます。
    意味は「失敬」と似ていますね、現代版という感じです笑

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。