ofの意味とaboutの意味 ネイティブの意見

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

of 意味
今回は、「of」と「about」という前置詞の意味や違いについての記事を書いてみます。「of」と「about」が付いている動詞の違いは微妙ですので、ネイティブ・スピーカーではない人にとっては、意味を混同しやすいです。ですので、今回、「think」という動詞で「of」と「about」のネイティブの感覚を伝えようと思います。

まず、「think of」や「think about」という動詞を使う例文で違いをみてましょう。

I’m thinking of an enormous chocolate cake with dollops of icecream on top.
私はアイスクリームが山積みになった巨大なチョコレートケーキを想像している。
I’m thinking about investing in the stock market.
株式市場に投資することを検討しています。

これらの例文をみると、「think of」には「想像力を使って、考える」という意味があることがわかります。一方、「think about」は「慎重に考慮する」、「じっくり考える」または「包括的に、あれこれと熟慮する」という意味合いを表わします。 つまり、通常は「think of」より「think about」という考え方のほうが、より時間が掛かっている意味合いがあります。こういう風に考えると、「about」という前置詞の核心を突きます。「roll about – 転げ回る」や「jump about – 跳ね回る」というフレーズを考えて下さい。この「あちこちに」や「あれこれと」という感覚が「about」に繋がっています。ですので、ネイティブは「think about」というような抽象的な「about」が付いている動詞を使う時には脳裏にこの具体的な「about」の使い方が閃きます。
要するに、「think about」と「think of」という言葉の一番大きな違いは時間です。それで、ネイティブはよく時制によって、どちらの動詞を使うのか選びます。

I’ve just thought of an idea.
今、アイディアを思いついた。
She was thinking about him for weeks on end.
彼女は何週間も続けて彼のことを考えていた。

一番目の例文では急に思いついたアイディアがある、という意味ですから、長い時間考えるという「think about」は使えません。二番目の例文では、長期間に渡った考えているので、「think about」が適切です。
時間がそれほど関係がない場合には、「think about」と「think of」のどちちでも使える場合が多くあります。例えば、友達の誕生日や記念日には、以下のような文が使えます。

I’m thinking of you on this special day.
I’m thinking about you on this special day.
この特別な日にはあなたのことを思っています。

これらは一日を通してのことで、特に長い時間や短い時間ではありませんので、「think about」と「think of」の両方が使えます。
今回、「think about」と「think of」という動詞だけに焦点を合わせましたが、これらの動詞を通して、皆さんがもう少し「about」と「of」の意味や感覚がよく掴めるようになれたらいいと思います。

3 件のコメント

  • 回答頂き、ありがとうございます。
    どこにも相談する人がいないので、助かります。
    of とabouについては、
    記憶力が良くないので、時間差で理解しようと思います。
    次の質問も宜しくお願いします。
    ・it と that について
    前の文を受けるときに、it でうけるのかthatでうけるのかが分かりません。
    例えば、I won the big prize.
    と言われて、It was lucky.
    と返事していいのか、あるいは
    That was lucky.
    で返答するのがよいのか、わかりません。
    宜しくお願いします。

  • 英語を理解する上で英単語の持つイメージを理解する事は必須なので、英単語のイメージについての解説は非常に役に立ちます。大変参考になりました、ありがとうございます。

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。