「pin money」という表現は少しのお金という意味です。「pin」はいわゆるピンで、「pin money」はもともと「ピンを買うためのお金」でした。
面白いことに、400年前には、「pin money」の意味は小額のお金ではありませんでした。チューダー時代には、「pin」は服を着るために沢山使われていました。 ラフやドレスをきちんと着たいなら、100本以上のピンが必要なときもありました。絵の女性は大きい白いラフを着ています。そのラフの形を作るには、沢山のピンが必要でした。また、ボタンではなく、ドレスを着るためにも、ピンが必要でした。チューダー時代では、そのピンは職人の手によって作られたので、現代のピンほど安くありませんでした。そのため、十分な数のピンを買うには多額のお金がかかりました。これが「pin money」が現代の意味と違って、多額のお金を意味していた理由です。貧乏な人たちは、ピンの代わりに畑で見つけたとげを使いました。これは痛そうですね!
現在では、ピンはとても安いので、「pin money」は小遣いやちょっとしたお金という意味で使われています。
I give my said doughter Margarett my lease of the parsonadge of Kirkdall Churche.. to by her pynnes withal.
私は娘のマーガレットに針を買うために、キルクデール教会の家の賃貸借契約を与えます。
The Testamenta Eboracensia – A Selection of Wills from the Registry at York, 1542
上記の英語は16世紀の英語なので、分かりにくいと思います。その「by」は「buy」という意味で、「doughter」は「daughter」という意味です。「said」は「前述の」という意味です。「pynnes」は「pins」ですね。昔の英語のスペルは今のスペルと全く違いますね。
現在の「pin money」の使い方をみてみましょう。
It’s just pin money, but buy yourself some sweets.
ちょっとした小遣いだけど、あめを買ってきてね。
Grandma gives the kids some pin money when she visits.
おばあちゃんは遊びに来ると、子供たちにお小遣いをあげる。
Interesting to know the historical background of pins.
In your article. I didn’t know what is ラフ. よく映画や世界史の教科書で見るあの派手なえりは、単独でruffというんですね!えりと服が別々になっているとは。
Hi Marina,
I’m glad you liked it. Shakepeare in Loveという映画では、ラフをよく見かけますね。