英語で第二次世界大戦について話す時の「the」の使い方

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

僕は、子供の頃から歴史にとても興味があったので、誰かと戦争の話をするのが好きです。
日本に住み始めた頃、よく行っていた焼き鳥屋がありました。そこの店主も戦争の話をするのが好きだったので意気投合しよく話していたのですが、僕は第二次世界大戦という日本語を覚えるのがとても大変でした。

しばらくは、第二世界戦争や、第二世界大戦などと言っていたと思います。しかし最近気付いたのは、日本人にとっても第二次世界大戦を英語できちんと言うのは、少し難しいのではないかということです。なぜなら、the Second World War と World War II 、2つの言い方があるからです。そして、見て分かる通り、the Second World War には定冠詞の the を付けますが、World War II には絶対に the を付けません。一見あってもなくてもどちらでも良さそうですが、ネイティブにとってこの間違いはとても気になります。

I think that the turning point of the Second World War was Stalingrad.
第二次世界大戦の転機ってスタリングラードだと思うんだよな。

No, I think that World War II’s turning point was the Battle of Britain.
いや、第二次世界大戦の転機はバトル・オブ・ブリテンだろ。

では、なぜ the Second World War には the が必要なのに、World War II には the が必要ないのでしょうか。
second は序数なので、序数の前には the を付ける決まりがありますね。

She is the second best mathematician in the world.
彼女は数学者の中で世界第2位です。

World War Second と言ってしまう日本人もいますが、これは間違いです。正しいのは、World War II で、II を two と読みます。
以下の図では、ネイティブが Second World War と World War II をどのような頻度で使っているかが分かります。
Second World War
ちなみに、World War II を省略する際には、WWII となります。
日本人と第二次世界大戦の話をしたいネイティヴも大勢いると思うので、そのような場面に遭遇したら、the の使い方に注意して下さいね。

4 件のコメント

  • 会話上で省略してWW2と言うネイティヴの方はいるのでしょうか?
    それともやっぱり省略するのは文章上だけでしょうか?

  • I work outside of the UK, and from here, the entire UK market looks to be about the size of California. So I am always amazed at how insular the London ad scene can be for what is essentially regional work. NY, SF and LA can be the same way sometimes but a national running campaign has a much larger audience with less shared cultural senibiilsties. So wen you’re feeling like London is the center of the universe, it might help to take a step back sometimes and realize there’s a whole other world out there. I know it would help George W.

  • こんにちは。
    更新された記事をトイレに貼って(トイレですみません…)中学生の子供と共に家族で楽しく拝見しています。
    そんなわけで、壁に貼られた文章をじーっと見つめる時間もあり…日々、書かれた文章を見つめる中で…
    Lukeさんが「僕は…誰かと戦争の話をするのが好きです。」と書かれた日本語がなんとなく居心地が悪く落ち着かないでいました。
    「誰かと戦争の話をするのが好き」
    と書くと、文章自体は全く変ではないのですがなんとなくLukeさんが好戦的な人に聞こえてしまうような気がしました。
    「誰かと戦争について(その時代について)語り合うのが好き」
    「焼き鳥屋の店主も戦争の話をよくした」
    このような言い回しだと歴史的観点や体験などから戦争について思索をめぐらせるのが好きなのだな…と、感じられるような気がしました。
    Lukeさんの書かれている日本語はいつもすばらしいですし、私の全くの主観的な感想ですので正しい指摘かどうかもわからず申し訳ありませんが。。。
    なんとなくしっくりこない感じがあったので、翻訳もされているLukeさんのこと、何かのお役に立てば…とコメントしました。
    これからも目から鱗が落ちるような言葉と文化の発見、楽しみにしています。
    いつもありがとうございます。

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。