「鮨詰のように混んでいる」は英語でなんというでしょう

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

僕は日本の電車に乗る時には、鮨詰のように混んでいるというフレーズを思い出します。このフレーズは東京のラッシュ時の電車を表現するには、ピッタリでしょう。ロンドンやニューヨークの地下鉄は日本の地下鉄ほど混んでいないかもしれませんが、それでも十分に混んでいます。このような状態を英語で表すには、どのようなフレーズが良いでしょうか。実際、英語でも同じ表現があります。それは、packed in like sardinesです。イワシの缶を開くとたくさんのイワシがぎゅうぎゅうに詰まっていることはどこの文化にとっても印象的でしょう。

We stood in the train packed in like sardines.
イワシ缶のようにぎゅうぎゅう詰めで電車に立っていました。

 
しかし、この表現は英語ではそれほど頻繁に使われていません。

swarm

僕がご紹介したい最初の単語は swarm です。swarmは一般にはa swarm of bees(蜂の群れ)のように虫と一緒に使われます。しかし時々遠くに見える大勢の群衆が虫の群れのように見えることがありますね。このような場合にはその群衆を swarms of people(人々の群れ)という事ができます。swarmは、人々が駅に群がった、のように動詞として使うこともできます。
 

There is a swarm of people outside.
外に人々が群がっています。

 

The crowd of students swarmed into the bar to watch the football game.
学生たちの群れがフットボールの試合を見るためにバーに群がっていました。

 

chock-full

ご紹介した次の単語はchock-fullです。chock-fullは「溢れるほどいっぱい」という意味です。chockにはchとckという音があるので、面白味があり表現力に富んだ言葉です。chockablockという似ている意味を持つ海事用語もあります。「ぎっしり詰まった」というフレーズに使われることもでできます。
 

The train was chock-full of people.
その電車は溢れるほどの人々でいっぱいでした。

 

The train was chockablock with people.
その電車はたくさんの人々でぎっしり詰まっていました。

 

cheek-by-jowl

最後に、cheek by jowlというフレーズについて紹介します。cheekは「頬」という意味で、jowlは「頬」または「下顎」という意味ですが、この場合はjowlもまた「頬」という意味で使われます。したがってこのフレーズは人々が頬をぴったりくっつけあって立っているというイメージです。とても混雑した場所にいる場合には、隣の人の頬が自分の頬の横にあることになりますね。
 

The people were packed cheek by jowl in the train.
電車内は人々がぴったりと密接して詰めこまれていました。

 
これらの三つの単語が全て組み合わさった文章がこちらです:
 

The rush hour in Tokyo can be very stressful. The stations are chock-full of people who swarm into the trains. Then they have to stand cheek-by-jowl with all the other tired commuters until they swarm out on to the streets.
東京のラッシュアワーはとてもストレスのかかるものです。駅は電車に乗ろうと群がる人々で溢れるほどいっぱいです。そして他の通勤する人々が群がって通りに降りるまで、彼らとぴったり密着して立っていなければいけません。

 
 
 

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。