僕は初めて日本の温泉施設に行った時、「入れ墨またはタトゥーの方のご利用をお断りしています」という看板を見て驚きました。なぜなら、日本は色々なライフスタイルを受け入れる国だと思っていたからです。僕はその時はまだ、入れ墨と暴力団などの関係を知らなかったのですが、多くの外国人観光客もそのような歴史を知らないと思うので、温泉やプールに行ってそのような看板を見たら、日本に対して悪いイメージを持ってしまうかもしれません。
しかし、欧米人も日本人のように様々な考え方を持っていると思います。日本の入れ墨の歴史はとても長いようですが、欧米でのタトゥーはわりと新しい習慣になります。(1000年前のイギリス人もタトゥーを入れていましたが、中世時代にその文化は消滅しました。)
しかし、上流階級のイギリス人もタトゥーを入れていました。19世紀、ジョージ5世というイギリスの王は、東南アジアに行く前に十字架のタトゥーを入れ、来日した際には腕に竜の入れ墨を入れてもらいました。その時から、日本で入れ墨を入れるのはイギリス王室の習慣になったので、王の息子たちも日本で入れ墨を入れていました。その時代、他のヨーロッパの国の王室は、ジョージ5世の真似をし、ロシアの王、デンマークの王、ルーマニアの王もタトゥーを入れていました。イギリスの王子はまだ日本で入れ墨を入れて貰っているいう噂もあります。
このように、イギリスでは上流階級の人もタトゥーを入れていたので、日本よりもタトゥーに対しての見解が分かれているかもしれません。そしてタトゥーは悪い、だけではなく、美しいが品がないのように思っている欧米人も多そうです。
タトゥーや入れ墨にはもちろんデメリットもあるので賛否両論だとは思いますが、日本の入れ墨の歴史は多くの国より長く、繊細さや美しさ、完成度の高さなどは他の国より優れているので、外国人の僕からすると日本はもう少し入れ墨の文化を世界に発信したら良いと思います。
こんにちは。いつも楽しく読ませてもらっております。
以前、卒論を書くために刺青について調べたことがあるのですが、これはなかなか難しい問題だと思います。というのは、本来「みだりに人に見せない」というのが、日本では刺青を入れる側にとっても美学であったからです。
たとえば、ある人は全身に日本式の刺青を入れる時、わざわざ会社をやめてトラックドライバーになったそうです。その人は別にヤクザではないのですが、刺青を入れるということは、「カタギではなくなる」という意識があったようです。
そして、刺青というのは薄着をしてわざと普段から人に見せるようなものではなく、お祭りなどのハレの日に、パッと服を脱いで、周りの人が息を呑む。それ以外の普通の時は、そっと衣の下に秘められている。そんな存在でもあったようです。
なので今日では、和彫りの愛好家や彫師の中には「刺青のタトゥー化」によって、「秘すれば花」の刺青の文化が失われていくことを嘆く人も多く、単純な問題ではありません。そもそも私が子供の頃など、実際に刺青を見せて他人を恫喝するヤクザなどが多かったので、そういう掲示があるのは仕方ない側面もあります。
ただ、銭湯の表示は、字面は刺青のある「人」を禁じているようですが、実際に相手に見えなければ、別にいいのではないでしょうか。小さいワンポイントのタトゥー程度であればあまり文句を言われることはないでしょうし、少し大きめでも、タオルで軽く隠すなどすれば、まず問題ないでしょう。要するに、刺青を入れているかどうかではなく、他人に見えるかどうかが問題なわけです。
一方、かなり大きな刺青やタトゥーをしたまま銭湯などでお風呂に入っている場合は、たとえ文句を言われなくても、周囲の人は「危険な犯罪者かもしれないから、関わりたくない。注意せずに放っておこう」と思っていることが多いと思います。
「多様なライフスタイル」というよりは、日本の刺青の場合、実際に犯罪文化と結びついていたこともあって、難しい問題ですね。この日本人の刺青に対する認識は、これから良くも悪くも、変わって行くかもしれませんが…。
19世紀に来日して、ですか?その頃日本は鎖国中なので中国などの他のアジアの国ではないでしょうか?
面白い記事ですが、そこだけ気になったので。悪しからず。
どうやらジョージ5世が来日したのは1881年(明治14年)とのことなので普通に開国後ですね
いつも楽しく読ませてもらっています。
内容とは関係ありませんが、画像の説明文がおかしいので、お知らせしときます
×「ジョージ5世が日本人に入れ墨を入れている姿」
○「ジョージ5世が日本人に入れ墨を入れてもらっている姿」
明治時代大津事件でロシアのニコライ2世が日露戦争前偵察という表面上の理由の他に入れ墨が目的でした。これ以上のコメントは控えます。