ネイティブにとって、willとgoing toの違いはなんでしょう?

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

「will」と「going to」はいずれも未来形を表しますが、実際はまったく同じ意味を表すというわけではありません。抽象的なルールを説明するより、具体的な例文を挙げたほうがいいと思います。

最初の場面は二人の高校の同級生が夜の計画を立てています。
(皆さんが英語の発音練習が出来るように、例文を読み上げて、録音しました。録音したファイルは以下にあります。)

John: What are you up to tonight?
Pete: I’ll come and have a pint with you tonight if you like.
John: Cool, sounds good.
Pete: I’ll just call my mum to tell her then.
電話での会話
Pete: Hey, mum, I’m going to have a drink with John tonight.
Mom: Okay, but don’t be out too late.

最初にPeteは「will」を使いますが、お母さんと喋る時には、「be going to」を使うようになります。それはなぜでしょうか? PeteはJohnと喋っていて、計画を決めた途端、Johnにそれを伝えます。その時には、「I’ll come and have a pint with you tonight.」と言います。Johnがその計画に賛成したら、その二人の計画が立てられましたので、「will」ではなく、「be going to」を使うようになります。
そこで、お母さんとの電話では、Peteは「I’m going to have a drink with John tonight.」と言います。この場面から、私たちには最初の違いが分かります。計画を決めている時点では、「will」を使います。計画を決めたら、「be going to」を使います。
多くの文章では、「will」と「be going to」のいずれも使えますが、ニュアンスが微妙に違います。
(皆さんが英語の発音練習が出来るように、例文を読み上げて、録音しました。録音したファイルは以下にあります。)

1. I’ll send you an email tomorrow.
2. I am going to send you an email tomorrow.

いずれの文章も正しいですが、一番目のほうが少し強い感じがします。たまに、「be going to」と違って、「will」という単語は意思を表すという意見をよく聞きますが、実際はどちらしかない状態ではありません。いずれの言葉も意思を表しますが、「will」は意思をより強調します。いずれの文章の話者も、メールを送る意思があるのですが、一番目の話者は絶対にメールを送ります。二番目の文章の話者はメールを送るつもりです。しかし、ネイティブは喋っている時には、そこまで深く考えません。絶対にメールを送る機会ということは100パーセント送るという意味だから、ここで「will」を使うという風に考えるネイティブはいません。実際の会話では、多くの場合は「will」や「be going to」の意味は同じです。
ニュアンスをより把握するためには、より極端な例文をみてみましょう。

1. You will die.
2. You are going to die.

今回、上の二つの文章は確実にニュアンスが異なります。いずれの文章も映画でよく耳にしますが、一番目の文章は殺人者や暴力者が言いそうな台詞です。二番目の文章は、お医者さんが末期患者に言いそうな台詞です。つまり、一番目の文章の「will」には、話し手の意思で聞き手が死ぬというニュアンスがあります。二番目の文章のニュアンスは、聞き手はての施しようがなく助けられないから、覚悟したほうがいいということです。お医者さんが一番目の文章を、言ったら、患者さんは「somebody help me!」と叫びそうです。
予想する時には、多くの場合、「will」と「be going to」を置き換えることが出来ます。

Next year is going to be very interesting.
Next year will be very interesting.
来年はとても面白そうです。
He will be a great teacher.
He is going to be a great teacher.
彼はすばらしい先生になりそうです。

before, after, when, while などで時間の表現をする時には、「will」や「be going to」のような未来形の言葉を使いません。代わりに、現在形を表す言葉を使います。

誤 When you will come tonight, let’s watch a movie.
正 When you come tonight, let’s watch a movie.

10 件のコメント

  • こんにちは、Luke 様、
    すばらしいサイトですね。
    興味深い解説で勉強になりました。
    一つ質問があります。よろしいでしょうか。
    現在進行形で未来を表す場合は、どのような意味合いになりますか?
    I would assume that it is possible to express alomost the same things by
    using a present progressive form.
    I’m sending an email tomorrow.
    How would it be different from the two of your sentences?
    1. I’ll send you an email tomorrow.
    2. I am going to send you an email tomorrow.
    もしお時間のあるときに教えていただけたら、うれしいです。

  • Thank you very much for your explaination about future tense.Luke san
    I have a same question as Tankobusan.
    I don’t know how it different among “will” and “be going to” and “be doing is”.
    Present progressive form is almost same meaning as be going to?
    Sorry for this many questions.
    Thank you.

  • will とgoing toは、自分でもある程度使い分けていて、ニュアンスが異なる場合があることはわかっていたのですが、Luke さんのご説明によって、頭のなかが整理できました。ありがとうございました。
    すばらしいサイトですね。いろいろと参考にさせていただきます。

  • Lukeさんこんにちは。
    英語を10年ほど勉強していますが、このブログを読んで、Lukeさんほど分かりやすく説明してくれる文章には出会った事がありません。
    常々、「アメリカかイギリス、そして日本で育った人が微妙なニュアンスを説明してくれたらいいのに」と思っていましたが、それが叶ったような気分です。日本語完璧です。どれ程頭のよい方なのでしょうか。
    本当に本当に、ブログを開設して下さってありがとうございます。

  • Go to dead Luke.
    Luke will die.
    Luke? Who is he?
    What? Really? Don’t you know Luke?
    Oh-yeah. Please tell me who is he.
    Well… Luke is like ペニス。

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。