コロンの使い方とセミコロンの違い ー ネイティブの説明

Luke

こんにちは、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家のLukeです。今週、僕が書いたオノマトペ(擬態語・語音後)についての本 が出版されました。是非チェックしてみて下さい!

今回は「colon」の使い方を説明します。まず、コロンの記号は「:」です。ネイティブでもコロンとセミコロンの使い方をきちんと使い分けていない人は多いので、日本人にとってもコロンをきちんと使えないというのはそれほど恥ずかしいことではないと思います。けれども、もしコロンをきちんと使えるのなら、相手に凄くいい印象を与えられると思うので、コロンの使い方をちゃんと覚えましょう。

セミコロンとコロンの違いと用途 ― バランス

コロンの後に続く節には説明したり、定義したり、列記したりするという役割があります。セミコロンの後に続く節には前の節にコメントを追加したり、理由を説明したりするという役割があります。これは、セミコロンとコロンの基本的な違いですが、これだけではまだ句読点をきちんと使い分けるのは難しいと思います。
それでは、どう使い分ければよいのでしょうか? もし、コロンやセミコロンで繋がれた二つの文を車両が二台ある列車に喩えたとしたら、セミコロンは二台の車両が同じサイズでバランスを取っている電車だと言えるでしょう。一方で、コロンは2台の車両のうち、先頭の車両が大きく、力を持っていますが、後ろの車両は小さくて、少数の乗客を運びます。つまり、セミコロンの二つの節は同様に重要で、両方とも独立節です。一方、コロンについては、先頭の節は重要で必ず独立節ですが、後ろの節は必ずしも独立節ではなく、先頭の節を支える役割があります。

セミコロンの使い方

  

コロンと独立節

I have five pets: a dog, two mice, a rabbit and a parrot.
私は五匹つのペットを飼っています。それは、一匹の犬、二匹の鼠、一羽のウサギと一羽のオウムです。

この文章は正しいです。なぜかという「I have four pets」という節は独立性があるし、主語も動詞も目的語もあるからです。

My pets are: a dog, two mice, a rabbit and a parrot.

「My pets are」は独立節ではありませんので、上の文は正しくありません。ちなみに、こういう場合には、「the following」という英語の単語が役に立ちます。独立節でないものを独立節にしたい時には、この単語はぴったりです。

My pets are the following: a dog, two mice, a rabbit and a parrot.

それでは、上の文にはもう問題がありません。

コロン と英語の「namely」

もし誰かに「コロンの意味はなんですか」と聞かれたら、僕は「コロンの意味はnamelyです」と答えます。つまり、「namely」が使える文はコロンが使える文です。「namely」
と日本語に訳すと「すなわち」という言葉に似ています。「namely」はコロンを使うかどうかのバロメーターになります。要するに、コロンがある文の後半は前半を明確にしたり、さらに詳しく説明したりするので、「namely」と同じ役割を果たします。

Five countries are bidding for the 2022 World Cup, namely Australia, the United States, South Korea, Japan and Qatar.
Five countries are bidding for the 2022 World Cup: Australia, the United States, South Korea, Japan and Qatar.
5つの国が、ワールドカップの主催国として名乗りを上げていす。いわゆる、オーストラリア、アメリカ、韓国、日本、そしてカタールです。

There was only one question left to answer: why had she married him?
There was only one question left to answer, namely why had she married him?
一つの問いが残りました。どうして彼女は彼と結婚したのか?

Don’t ever overlook this very important rule: if you pee on the toilet seat you should wipe it off!
Don’t ever overlook this very important rule, namely if you pee on the toilet seat you should wipe it off!
次の重要なルールを見落とさないでください。便座におしっこしたら、ちゃんと拭いてよ!

コロンと引用

上のようなコロンの使い方は一番多いですが、引用をする際にはも、たまにコロンを使います。この場合、引用文はコロンの後に続きます。

The queen said to the king: “Pardon me, but could you pour me some more tea.”
女王様は王様に、「すみません。もう少しお茶を入れてください。」と言った。

コロンと手紙

ビジネスの手紙を書く時には、名前の後に、コロンを付けることがあります。インフォーマルな手紙では、コロンを使いません。

Dear Sir:

コロンについてのクイズをやってみたい方は、以下のリンクをクリックして下さい。

コロンの使い方 - クイズ

  

8 件のコメント

  • I found my mistake; I rewrote.
    I think I’ve never seen semi colons in the casual writings; I feel it such a formal way in writing.
    Is this right way to use? Plus am I right?

    • Hi Kuki,
      コメントありがとう!
      この場合、セミコロンより、ピリオドのほうがいいかもしらない。以下の英語はもっと自然です。セミコロンの使い方は難しいですね!
      I don’t think I have ever seen semicolons in casual writing. To me, it feels very formal.

  • Hello, Luke. I always enjoy reading your lectures. They are really intriguing and easy to understand!
    I have a question about the usage of colons.
    The other day, when I read a document which was translated Japanese into English, I found colons attached after short clases.
    “A mixture type: It is a mixture of polymers which have a different affinity.”
    According to the explanation, colons should be put after sentences not words/clauses, so I’m just wondering if it is possible to put colons after words or clauses.

    • Yes, it is possible to use a colon after one word. So I think that your example is fine. I think that the use of “a” in “a mixture type” is not correct however. I didn’t write about that use of the colon in my post, but it does exist.

  • […] 一見「:D」はただのコロンとDですが、実は英語の顔文字になっています。頭を左に傾けて「:D」を見てみると、「:」が目で「D」がにっこり笑った口、つまり笑顔に見えてきませんか?日本の顔文字と異なり、英語の一般的な顔文字は縦になっています。なぜなら早く入力出来るからです。「: )」という笑顔を表す顔文字もよく使われていますが、「:D」の方が嬉しそうな表情に見えますね。 […]

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    記事を書いたLukeについて

    英語の教師と作家。父はイギリス人、母はアメリカ人。イギリス生まれ、13歳でアメリカへ。卒業後はワシントンDCで記者。現在東京に在住。著書に『この英語、どう違う?』(KADOKAWA)、『とりあえずは英語でなんと言う?』 (大和書房)、など。NHK基礎英語1と婦人公論の連載。